レイアウト

キバナコスモス ?

SC002 Web#=105 掲載2008/5/21

レイアウトに小さくても川があると水の動きが感じられて、なかなか良いものです。初夏の川原には野の花が咲き乱れているハズです。そこでカメラを持って家の前を流れている仁川を取材という目で見直すことにしました。この記事の写真は2008年5月21日の撮影です。

ちょうど小学校の下校時間だったのか、小さな女の子たちが花摘みを楽しんでいました。これもレイアウトの添景にするといいのでは? 子供たちが小魚を網で掬うのはもう少し暑くなってからです。夏のたそがれ時の水辺には蛍狩りの親子が佇んでいそうです。

表題の「キバナコスモス」には自信がありません。誤っていたらご指摘下さい。

写真1、2と3でごらんのように自然石を組み合わせて作られた護岸に、ほとんど野生の黄色い花が咲き誇っています。どうも乾燥を好むようで、河川敷よりも人工の崖(道路の下の護岸)にたくさん生えています。

黄色い花は茎のてっぺんに咲いていることに注目してください。レイアウトで再現する時には、草原の上に花を表現する黄色い粉を地面に平たく撒いたのではプロトタイプからかけ離れた光景になってしまいます。

蒸気機関車や木造電車が活躍していた頃(1950年代)の仁川は、もっともっと低い護岸しかありませんでした。川岸の道路から川床までは子供でも飛び降りることが出来るぐらい(1mぐらいかな?)でした。もちろんガードレールなんていうものは存在していません。川底が深く掘り下げられたのはアスファルト舗装が普及して、大雨が降るとすぐに川が増水して洪水の危険が感じられるようになってからです。川床は浅い方が親しみを持てていいですね。

崖ばかりではなくて、河川敷にも少しは生えています。同じ種類の花が固まって咲いているのに注目してください。去年の花に起因する「こぼれ種」が群落を作っているので、野原に平均して黄色い花が咲いているという情景は不自然です。水がよく流れている部分では別の種類の植物が群落を作っていて、黄色の花は見られません。

普通の環境では草原での花の密度はこれぐらいのものでしょう。この花は虫媒花です。広い草原でこの写真のように派手な黄色い花が少しだけ咲いていると、昆虫の目にはよく映えるのでしょう。